2015年11月15日日曜日

ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね


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ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね。
いや、ぼくは何だかすべて忘れてしまうと言った方が正確だろうね。君はぼくのようには多分忘れないし、他の人々もきっとぼくのようには忘れないだろう。多分、きっとみんなそれぞれの容量の記憶力と忘却力を持ってそれぞれ忘れているんだろうね。
それにしてもぼくは何だかすぐすべて忘れてしまうなぁ。キップも傘もタクシーの領収書もすぐどこかにやっちゃうし。傘なんか今までもう何十本も忘れてきたよ。ブエノスアイレスでもパリでも北京でもシンガポールで



手帳が届いた。もうそんな時期だ。
来年の手帳は、リバーズ・エッジのにした。
母親が岡崎京子が好きで、実家の本棚にあったリバーズ・エッジを、中学生かな、たしか。こっそり隠れて読んだのを覚えてる。まるでエロ本を読む男の子みたいに。
中には、生と死、セックス、ドラッグが詰まっていて、見ちゃいけないものを見た気がして、でも目が離せなくて、見るべきものなんじゃないかとか思ったりして、衝撃を受けたな。
今はもう、母親と岡崎京子の作品のこと、隠さず語り合えるようになった。大人になったな。

来年はどんな人との、どんな予定や思い出でこの手帳が埋まっていくんだろう。
こんなに先のことが想像できないの、初めてかもしれない。
今までだって、ちっとも想像なんてしていなかったかもしれないけれど。

そして、この手帳の宣材写真に写ってる女のひと、ちょっと私に似てやしないか。

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